コリ梅

149-指先が真っ赤に染まる話

 

 

韓国料理店での食事を終えて外に出た後、

手に持っていたデジカメをカバンにしまおうとした。

 

すると、そのときである。

 

ゴソゴソとカバンの中に手を突っ込んだ瞬間、

チャックのところでひっかけたのか、

ピリッという痛みが、左手の中指に走った。

 

ちょうど冬にさかむけを起こすような部分。

爪の付け根部分から、血がにじみ出ていた。

 

「あー、やっちゃった……」

 

こういう小さなケガが、意外に痛くて鬱陶しい。

血はすぐに止まるだろうが、しばらくヒリヒリする。

 

「絆創膏を持っていたっけかな……」

 

そんなことをチラリと思いながら、

僕は応急処置として、血の出た指を口にくわえた。

傷口を舐めると、ほんのり鉄の味が舌先に広がる。

 

と、同時にチクッと刺されたような痛みが指先を襲った。

 

先ほどケガをしたときとは、また違った痛み。

もっと鋭利で、ダイレクトな痛みに僕は驚いた。

慌てて指を引っ張り出し、痛みのあたりをまじまじと見つめる。

 

なんと、僕の指先が真っ赤に染まっているではないか。

 

破けた皮膚から湧き出す血の赤さではない。

細かい粒子が集まって出来た、まだら模様の赤さ。

よく見ると、それは唐辛子の粉末である。

 

「そうか、いまピビン冷麺を食べたんだった」

 

激辛料理を食べた直後の口で傷の消毒。

それはレスラーの吐く毒霧攻撃にも等しい。

唐辛子にまみれた僕の指先からは、再び血がにじみ始め、

さきほどよりもいっそう赤くなっていた。

 

 

20060301

 

 

 

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