コリ梅

132-意表をつかれたおひたし

 

 

日本で韓国人と飲みに行った際に、

「これは何?」と質問されることがある。

韓国では食べないか、あまり見かけないような食材。

だが、僕にとっては専門分野なので、

ほとんどは韓国語で答えられるようにしている。

 

比較的よく聞かれるのが次のような食材。

 

・カツオ → カダレンイ(가다랭이

・キス → ポリミョル(보리멸

・シシャモ → ヨルピンオ(열빙어

・ソラマメ → ヌエコン(누에콩

・ミョウガ → ヤンハ(양하

 

カツオのたたき、キスの天ぷら、シシャモ、茹でソラマメ。

ミョウガは冷奴の薬味などで、ちょこっと出てくる。

どれも居酒屋などでは定番ともいえる顔ぶれだ。

 

また、寿司を食べにいったときも同様。

 

・ウニ → ソンゲ(성게

・コハダ → チョノ(전어

・ホタテ → カリビ(가리비

・アカガイ → ピチョゲ(피조개

・シャコ → ケッカジェ(갯가재

 

このあたりは質問されたら、即座にビシッと答える。

知識自慢の嫌なヤツっぽくもあるが、こちらも専門家としての自負がある。

ビシッと答えて心の中でガッツポーズ。

 

「よくそんな単語を知っているね」

 

なんて言われたら有頂天で、その日は1日機嫌がいい。

むしろその瞬間のためにセコセコと調べて勉強していたりする。

 

だが先日。ふらりと入ったカウンターだけの居酒屋で、

予想もしなかった食材に出会ってしまった。

ちょっと食べてみる? とサービスで出されたおひたし。

見た目はホウレンソウのようだったが、

味わってみると若干の泥臭さとねばり気がある。

 

「八田君、これなに?」

「うーん、なんだろう」

 

食材名を韓国語にするどころか、日本語でなんだかわからない。

仕方ないので、店の人に何のおひたしなのかを聞いてみた。

 

「あの、これなんのおひたしですか?」

「あー、ツルムラサキ。ちょっとクセがあるけど美味しいでしょ」

「ツルムラサキ?」

 

名前こそ聞いたことがあるような気もするが、

食卓で見たことはないし、食材として意識したこともない。

まったく予想外。準備外の単語であった。

 

「で、そのツルムラサキは韓国語でなに?」

「すいません。わかりません……」

 

調子にのってなんでもわかるみたいな顔をしていると、

こういうときに反動で思い切り恥ずかしい。

 

家に帰って調べてみたところ、

韓国語では「マルラバシグムチ(말라바시금치)」というそうだ。

とりあえず一生懸命頭の中にインプットしてみたが、

次また出会うことはあるのかなあ。

 

 

20050606

 

 

 

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