コリ梅

114-辛さにもいろいろある

 

 

マーボー豆腐を注文しようとしたそのとき。

すぐ横に、激辛マーボー豆腐があるのに気付いた。

ご丁寧に「辛!」の飾り文字までついている。

僕はすかさず注文を、激辛のほうにスイッチした。

 

ノーマルと激辛の2種類があったら、とりあえず辛いほうを選ぶ。

それは韓国での留学生活を経て、身についた習慣のようだ。

中途半端に辛いものより、激辛のほうがよっぽど舌に馴染む。

それは偽らざる本音だ。

 

また激辛メニューを頼む理由には、

ひとつ試してやろうじゃないか、という気持ちもある。

出てきた料理を一口食べて、

 

「ふっ、激辛マーボー豆腐でこの程度か」

 

と、優越感に浸る瞬間。

これがまたたまらない喜びだったりする。

 

そんな想像をしながら待っていると、

僕の前に、注文した激辛マーボー豆腐が運ばれてきた。

白いレンゲを手にとり、おもむろに1口目をすくって食べる。

 

「ふっ、激辛マーボー豆腐でこの程度……あ、あれ?」

 

なんと、その激辛マーボー豆腐はものすごく辛かった。

 

1口目はまだしも、2口目、3口目と食べ進むにつれ、

口の中がビリビリと痺れて、我慢できなくなった。

辛いものには慣れているはずの僕だったが、

それはまったく太刀打ちのできない辛さであった。

 

そしてその理由は予想外のものであった。

 

「こ、このマーボー豆腐。山椒入れすぎ……」

 

僕が慣れているのは韓国料理の辛さ。

すなわち、唐辛子を多用する辛さである。

山椒の辛さは経験したことがない。

 

結局、半分まで食べたものの、後は耐え切れず残してしまった。

激辛マーボー豆腐に完敗である。

「辛さにもいろいろあるんだなぁ」

と、学んだ僕であった。

 

 

20041026

 

 

 

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