コリ梅

030-若かりし頃のK・F・C

 

 

留学初期に書いていた日記を読み返してみた。

もともと食文化に興味があったので、料理に関する記述も多く、

K・F・Cの片鱗がうかがえるようでもあるが、いかんせん間違いだらけである。

それも薀蓄を語る部分に大きな誤解が多い。

 

昔の日記とは基本的に恥ずかしいものだが、

度を過ぎればネタにもなるだろうと、ここに収録してみる。

間違い部分には突っ込みを入れてあるので、

軽く笑い飛ばしていただければと思う。

 

以下の文章は留学4日目に書いた日記。

昼に食べたスンドゥブチゲについて書いている。

 

 

スンドゥブとはニガリを入れる前のふわふわした豆腐の事1)。スンドゥブチゲとも呼ばれつまり鍋の一種である。(日本ではよくチゲ鍋という言い方をするが、韓国語でチゲ=鍋の意味なのでチゲ鍋ではナベ鍋というおかしなもし本当に実行しようとすると大鍋に手持ち鍋などがつかった料理になってしまうのでこれを読んだ人はすぐさま自分の今までの行いを悔い反省し以後気をつけよう。)

鍋といっても小さい素焼きの鉢で1人分が出てくるので具だくさんのスープ、または豪華なみそ汁といったくらいのサイズだ。コチュジャンと正油で味付けされた2)スープに豆腐と卵、長ねぎ、白菜キムチそしてアサリなどが入って煮立てられている。運が良ければ豚肉も入っているかもしれない(3)。アツアツでしかもけっこう辛いので汗だくだくのフハフハヒイヒイになりながら食べよう。

韓国料理は辛いものが多いので店側も心得たものでたいていテーブルにはティッシュのたぐいが大量に置いてあるので鼻水がズルズルになっても何の心配もいらない。様々な凝音4)を身の回りでハジけさせながら食べよう。

そのスンドゥブにごはんがついている。きっとアルミの飾り気のない器5)に入って出てくるだろう。アルミは熱伝導率が高くホカホカごはんなど入れてしまうと熱くてとても持てないものになってしまうが韓国のマナーでは器を手に持ってはいけない事になっているので置いたままスプーンで食べる。

またスプーンはスッカラクといい箸はチョッカラクと読みどちらも鉄で出来ている(アルミかもしれないが)6)。スプーンはまだしも箸は初めて持つと重い。なれてしまえばなんて事もないがちょっとびっくりするので書いてみた。

しかし話はスンドゥブである7)。スンドゥブにごはんが付き、韓国では1品注文すると副菜として様々なおかずが付くのが普通なので、キムチやナムル、サラダなど稀には煮物や焼き魚までが並び定食としての実力を遺憾なく発輝(8)するが、これらの副菜はタダでしかもおかわり自由という特点(9)までついてしまう。

こんなにすばらしいスンドゥブ定食2500ウォン。日本円にして約230円である。韓国のシクタン(食堂)に足を向けて寝られない。

 

1)スンドゥブとは押し固める前の豆腐のことでニガリは入っている。雑誌などでもよく見かける間違いなので、なにかの記事を鵜呑みにして書いたと思われる。料理の説明をするのに最初の定義から間違えてどうする……。

2)コチュジャンが入ることもあるが、基本的にはコチュカル(粉にした唐辛子)、醤油、塩などで味付ける。韓国料理はすべてコチュジャンで味をつけると思い込んでいたころの情けない間違い。

3)豚肉でダシを取ることがほとんど。もちろん牛肉やイワシ、アサリなどでもダシを取るので豚肉が入っていないこともあるが……。

4)凝音→擬音

5)アルミではなくステンレス。

6)鉄でもアルミでもなくステンレス。

7)といいつつ副菜の話になっている。

8)発輝→発揮

9)特点→特典

 

大変おそまつだが、留学したてならこんなものかもしれない。

それにしてもこの文章のどこが日記なんだろう……。

 

2003年03月18日

 

 

 

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