コリ梅

028-納豆の正しい食べ方

 

 

知り合いの韓国人3人に納豆を食べさせてみた。

2人は今まで1度も食べたことがなかったが、

1人は日本にも長く住んでおり、普通に食べられるということだった。

 

食べたことのない2人は最初嫌がったが、

卵とカラシをたっぷり入れて臭いを消し、

これなら大丈夫だからと無理に食べさせた。

まあ、駄目だろうなと思いつつ……。

 

すると2人とも意外に食べられるのだった。

「なんだ卵と醤油の味しかしないではないか。」

2人はそう言って、ずるずると納豆を食べた。

驚いたのは僕のほうであった。

 

と、その時。もともと納豆を食べられる1人が言った。

「八田、正しい食べ方を教えなきゃ駄目じゃないか。」

そして彼は自ら、その正しい食べ方とやらを実践してみせた。

 

「いいか、納豆を食べるときはだな。食べたらすぐに口元で箸をぐるぐると回さなければいけないんだ。こうして食べると同時に……。」

 

ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる。

 

彼は猛烈なスピードで箸を回し始めた。

それは「力一杯」という表現が似合うくらいの勢いだった。

納豆をすすると同時に、箸を超高速で回転させる。

それが彼のいう納豆の正しい食べ方であるようだった。

 

それを見て残りの2人も同じように食べ始めた。

 

ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる。

ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる。

ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる。

 

食卓は一気に異様な雰囲気に包まれた。

 

納豆を食べるとどうしても糸が引く。

その糸を切るために、我々は箸を用いる。

くるんと円を描くように箸を回すことだろう。

 

彼はきっと誰かにそう教わったのだと思う。

糸が引くから箸を回して切るようにと。

そのちょっとした極大解釈であるようだった。

 

3人が一斉に箸を回す姿を、僕は呆然と見つめた。

それはビビンバをかき混ぜる姿に少し似ていた。

 

2003年03月12日

 

 

 

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