コリ梅

022-かわいそうなヤリイカ

 

 

済州島でとれたてのヤリイカを食べたことがある。

水揚げされたばかりのやつを、港で刺身にしてもらった。

まだ身が透明のヤリイカは、甘くてとてもおいしかった。

 

このヤリイカのことを韓国語でハンチという。

だがこれは俗称で、辞書にはファサルオジンオと出ている。

日本語に直訳すると「矢イカ」。

そのすらりとした体型を日本人は「槍」と表現し、

韓国人は「矢」と表現したのだ。

 

ただしこの矢イカという表現はほとんど使われない。

市場でも食堂でもハンチと書かれるのが常である。

ハンチの刺身、ハンチの干物という文字が並び、

ファサルオジンオなどという表記は見たことすらない。

 

このハンチという言葉。

日本語に直訳すると「1寸」になる。

すらりと長い胴体に比べ、ヤリイカの足は非常に短い。

その足の長さがおよそ1寸(3.3cm)程度であることから、

ヤリイカはハンチと呼ばれるようになった。

矢イカという立派な名前がありながら、

常に短足呼ばわりされているのである。

 

同じ短足の身としてはヤリイカに同情したい。

足が短かろうが余計なお世話ではないか。

ああ、ヤリイカは本当にかわいそうだ。

 

2003年02月26日

 

 

 

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