コリ梅

013-タクシーにて

 

 

雑誌に掲載されている名店を訪ねて地方都市へ出かけた。

ガイドブックにも載らないような小さな都市。

地図もないので店の場所がどこだか全くわからない。

 

とりあえず中心地まで行って、タクシーに乗ることにした。

幸い雑誌には店の住所が書いてある。

僕は停車していた1台のタクシーに乗り込んだ。

 

「どちらまで?」

「この店に行きたいんですが、わかりますか?」

 

ガイドブックの住所を運転手に見せる。

運転手はライトをつけ、眼鏡を外し、目を細めて雑誌を見る。

 

「ああ、ここかあ。」

「わかりますか。」

「うーん、ここねえ。タクシーで行くとずいぶん高くつくよ。」

「え、そんなに遠いんですか?」

「我々は基本料金を2000ウォンでもらうんだよね。」

「はあ……。」

「ここからだとその基本料金がもったいないだろ。」

「は……?」

「歩いて行ったほうがいいよ。」

「それは近いということですか?」

「そこの路地あるだろ。50mほど行けば看板が見えるよ。」

 

なんと、目指す店はすぐそばだった。

50mの距離をタクシーで行ったら、それは確かに高くつく。

僕は運転手に礼を行って、タクシーを下りた。

 

タクシーの運転手はとてもいい人だった。

 

だから教えてくれた道が大いに間違っており、

その後、30分以上迷ったことは伏せておくことにする。

 

2003年02月09日

 

 

 

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