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済州島の伝統家屋

 

済州島の伝統家屋

 

済州市から東南の方向に34キロの地に城邑(ソン

ウプ)民俗村はある。この地は済州島の昔の姿をその

まま残している場所として国家重要民俗資料第188

号にも指定されている。ここでは風でとばされないよう

に紐でくくった藁葺きの屋根、火山岩で出来た石垣、

黒豚の住むトイレなどを見ることができる。

 

済州島の伝統家屋と石垣。

 済州島は「三多三無」の島といわれる。すなわち、風と石と女が多く、物乞いと泥棒と門のない島という意味

だ。済州市から東南の方向に34キロの地にある城邑(ソンウプ)民俗村は、済州島の昔の姿をそのまま残して

いる場所として有名で、国家重要民俗資料第188号にも指定されている。城邑に残る伝統家屋の姿は、済州島

の地域的特性をよく表している。

 まず目に付くのは屋根の独特さである。伝統家屋の屋根は藁葺きで、

その上には縦横方向に無数のヒモがかけられている。このヒモは「風」

の多い済州島で、屋根が飛ばされないようにと考案された工夫なのだ。

城邑では現在もこの藁葺きの家に人々が暮らしており、昔の文化を現代

に伝えるよう努めている。また、済州島は「石」の多い島で、家屋の壁も

石を積み重ねて作られている。家の外側も石垣で囲まれており、城邑の

路地を歩いていると両側に石垣がゆるやかに続いている。

さらに済州島は「門」のない島としても有名だった。さすがに現在は普通に大きな門を構えている家がほとん

どだが、城邑民俗村では今も伝統的な門を残している。

 伝統的な門は、3〜4本の丸木で構成されている。穴のあいた石を両側に置き、そこに丸木を通す。門という

よりは柵という感じだ。この丸木のことを「チョンナン」と呼び、これが全部3本とも穴に通されているときは、家

に人がいないというサインになっている。1本だけ下に降ろされていると、家の人はちょっと出かけているがすぐ

戻るという意味になり、全部降ろされているときは家の中に人がいるので入って来いという意味になる。

 

(左)家に人がいない場合。(中)家に人がいる場合。(右)伝統的なトイレ。

 済州島の伝統的トイレも興味深い。済州島のトイレは外にあり、これも石を組み合わせて作られている。トイレの

下には黒豚が飼われており、その黒豚は人間の排泄物をエサに育てられる。こうして育てられた黒豚は「トンテ

ジ(うんこ豚)」とも呼ばれ、その味は絶品とされる。さすがに現在はこの方法で育てられる黒豚はいないが、済州

島の黒豚が有名なのは今もそのままである。

 

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