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済州島の神話

 

済州島の神話

 

済州島には昔、人が住んでいなかった。ところがある

日、高氏、梁氏、夫氏という3人の神が地面から忽然と

姿をあらわしたのである。3人の神は獣皮でできた服を

着て、肉を食べ、狩猟を行った。その3人の神はやがて

碧浪国から訪れた3人の王女と結婚し、農耕、牧畜を

始め、ついに人間世界を作り出したのだった。

 

3人の神があらわれたといわれる三姓穴。史跡134号。

 

 済州島には昔、人が住んでいなかった。ところがある日、3人の神が地面から忽然と姿をあらわしたのである。

このとき3人の神が涌き出てきたとされる3つの穴が、現在の済州島済州市二徒1洞に位置する「三姓穴(別名、

毛興穴)」である。3人の神はそれぞれ高乙那、梁乙那、夫乙那という名前を持ち、獣皮の服を着て、狩猟生活を

して肉を食べたといわれる。

 

済州市庁の建物に描かれている神話をモチーフにした絵。

 ある日、東の海に木箱が流れ着いた。木箱は赤土で塗り固められており、何か重要なものが入っているようで

あった。3人の神が木箱を開けてみると、なんと中から赤紫の服を着て赤い帯をしめた1匹の獅子と、青い服を着

た三人の女性が現れた。また3人の女性は牛、馬を従え、そして五穀の種を抱えていたのだった。

 驚く3人の神に向かって獅子が話しかけた。

「わたしは碧浪国の獅子である。碧浪国王の使いとしてやってきた。われらが王は私に向かい、こうおっしゃった。

西海の島に3人の神が国を起こそうとしているが、配偶者がいない。故に3人の王女をかの地に案内せよと。あな

たがたは、ここにおられる3人の王女と結婚し、大業を成し遂げなさい。」

 そう告げると獅子は7色の雲に乗り、消えてしまった。

 高乙那、梁乙那、夫乙那の3人の神は獅子が去った後、それぞれ婚姻沚という小さな池で婚礼を挙げたといわ

れる。その婚姻沚は城山邑温平里に現在も残っている。3人の神は碧浪国の王女と共に国造りにはげみ、王女が

碧浪国から持ってきた五穀の種をまき、牛と馬を使って農耕も始めた。また災難や災害を克服するために1年に3

回の祭祀も行った。

 やがて3人はそれぞれ自分の領土をもつことにした。3人の神は漢拏山の

北に位置する射先長元岳から、それぞれ矢を放った。矢は済州島の各方面

に飛んでいき、その各地の岩を貫いたといわれる。3人の神はその矢が飛ん

でいった地を自分の領土と定め、部族を繁栄させていった。これらの3人の神

が作り上げた共同体はやがて耽羅王国として発展し、長く独立国として君臨

していたのである。

三姓穴にある展示館の模型。3人の神が矢を放っている。

 

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