サメガレイなる日々

028-大江戸線1周ウォーク(1)

 

 

30歳になった。いよいよ大台に突入である。

昨年29歳になったときに、20代最後の1年を充実させようと、

がんばる29歳という企画を掲げてあれこれやってみた。

といっても、事前に考えていた企画はほとんどこなせず、

結局は山手線を1周歩いたり、山手線の駅を使ってすごろくをしたり。

なんだか妙に山手線好きな29歳というだけで終わってしまった。

自分なりにがんばりはしたが、明後日のほうを見ていたのではないか。

 

「こんな状態で30代を迎えて自分は大丈夫なのだろうか……」

「いい歳してこんなことで喜んでいてよいのだろうか……」

「このまま大人になれずに歳だけ重ねていくのではないだろうか……」

 

なんだかものすごく不安になってきたので、

それを払拭する企画を考えてみることにした。

30歳になった自分と真正面から向き合い、

今後の人生を深く考えつつ、30代の指針を決める。

それが……。

 

「大江戸線1周ウォーク!」

 

うん。29歳からまるで成長の後が見られない。

むしろ成長しようという気概もまったく見えない。

 

「アホだねえ、キミは……」

 

の一言が聞きたくて今年もチャレンジする。

山手線同様に、大江戸線の駅をすべて徒歩で踏破。

ぐるっと1周する企画を実行に移した。

 

実行日は8月2日夜から8月3日の朝にかけて。

 

8月2日が誕生日なので、まさに30代になった初日。

30代最初の夜を大江戸線に捧げるという愚行である。

 

ちなみに夜から朝にかけて歩いたのは、

昨年、昼間に歩いて熱中症で死にかけたため。

もうひとつ中間地点に重要なイベントを盛り込んだからだ。

2006年夏。僕の30代が大江戸線から始まる。

 

2300 新宿西口出発

新宿の大ガード付近をスタート地点として選定。

平日の夜ということで、新宿は大勢の酔客でごった返していた。

大江戸線は地下鉄なので、地上入口部分で写真撮影。

とりあえずガッツポーズの自分撮りを決めてみるも、

スタート直後なのでまわりの視線が気になったりする。

 

スタート地点での写真撮影。まだテンションが低いので笑顔が固い。

 

2318 東新宿着 <新宿西口−東新宿 所要時間18分>

尾滝橋通りから職安通りに入って歩く。

界隈のランドマーク的存在となったドンキホーテ前で写真撮影。

人通りはそれなり。見慣れた通りを順調に歩く。

東新宿駅は職安通りと明治通りが交差するあたり。

夜道で煌々と光る入口の写真を撮った。

 

ドンキホーテ周辺はコリアンタウンの中でももっとも賑やかな一帯。

 

2331 若松河田着 <東新宿−若松河田 所要時間13分>

職安通りから引き続いてずっとまっすぐ。

道の名前だけがいつの間にか抜弁天通りに変わっていた。

車通りはそれなりにあるが、人が極端に少なくなった。

 

若松河田駅の入口を撮影するも、東新宿駅と大差がない。

地下鉄はJRに比べ、駅ごとの面白みがないことに気付く。

若松河田駅。しばらく同じ絵柄が続く。

 

2340 牛込柳町着 <若松河田−牛込柳町 所要時間11分>

極めて順調だが、歩いていて楽しくないことに気付く。

夜道なので視界がなく、ただ黙々と歩くしかすることがない。

 

「このままでは記事として成り立たないのではないか」

 

という不安が出てきたので、近所に住んでいる友人に電話。

駅まで出てきてもらって、無理やり激励でもしてもらおう。

 

「プップップッ、おかけになった電話は電波の届かない……」

 

留守電だった。牛込柳町での激励作戦失敗。

押し黙ったまま駅を後にし、次の駅を目指す。

牛込柳町駅。

 

2354 牛込神楽坂着 <牛込柳町−牛込神楽坂 所要時間14分>

かわり映えしない道のりと、駅の写真に飽きてくる。

この企画は失敗だったのではないか、と何度も考える。

このまま電車に乗ればまだ家に帰れるかもしれない。

と終電のことを考え始めたそのとき、あることに気がついた。

 

「あれ、終電が終わったら駅も閉まるんじゃ……」

 

地下鉄の入口が堅く閉ざされ、電気も消える状況。

そんな状態で駅を目印に歩いていて何が楽しいのだろう。

この企画に対する懐疑の念がいっそう強くなった。

牛込神楽坂駅。

 

0008 飯田橋着 <牛込神楽坂−飯田橋 所要時間14分>

JR駅のある飯田橋駅に到着。

スタートからちょうど1時間が経過したので、

ここで10分間の休憩を取ることにした。

前回は行けるところまで行こうと頑張りすぎてバテた。

足への負担も徐々に蓄積することがわかったので、

まだ大丈夫そうな段階からしっかりとストレッチをしておく。

 

近くにあったコンビニで水分補給。

複雑に入り組んだ歩道橋の下を眺めつつ、

きっちり10分休んで再度スタートする。

 0018出発

 

飯田橋駅。駅前の交差点にてしばし休憩。車通りも少なくなってきている。

 

0039 春日着 <飯田橋−春日 所要時間21分>

飯田橋の交差点を過ぎてからハローワークを左に曲がり、

小石川後楽園に沿うような感じで東京ドーム方面に。

丸の内線後楽園駅の歩道橋で青白く光る東京ドームを撮影。

 

丸の内線はちょうど終電が行って改札のシャッターが閉まるところだった。

終電を逃したサラリーマンがそれを見て呆然としていたのが印象的。

 

春日通りのほうに抜けると、そこが地下鉄駅。

南北線と大江戸線が一緒になった春日駅の入口となる。

 

南北線と共通する春日駅。東京ドームは青みがかって妙に美しかった。

 

0053 本郷三丁目着 <春日−本郷三丁目 所要時間14分>

しばらくはこのまま春日通りを直進。

本郷通りとの交差地点に本郷三丁目駅がある。

 

東新宿〜飯田橋間は何もなく寂しかったが、

このあたりだと車通りも人通りもそれなりにある。

深夜まで営業している店もいくつか見られ、

いくらか歩いているのが楽しくなってきた。

本郷三丁目駅周辺は少し賑やかだった。

 

0113 上野御徒町着 <本郷三丁目−上野御徒町 所要時間20分>

湯島天神脇を通って上野エリアに到着。

昼間ならお参りでもしていくところだが、

深夜なのでチラッと見ただけでそのまま通過。

やはり深夜歩きはイベント性に欠けるようだ。

 

天神下の交差点からJR御徒町駅までの間は繁華街。

この時間でも充分賑やかで少しホッとする。

 

このあたりはコリアンタウンでもあり韓国料理店も多数。

スタートして2時間。軽く夜食などでもとりたいところだが、

今日はこの後、大きなメインが控えているので我慢。

大江戸線ウォークを深夜スタートにした意味がなくなってしまう。

 

上野広小路駅で2度目の10分間休憩。

近くのコンビニで水分補給も行った。

 0123出発

上野御徒町駅。

 

0134 新御徒町着 <上野御徒町−新御徒町 所要時間11分>

上野御徒町駅から新御徒町駅まではあっという間。

にもかかわらず、その道中に他路線の駅が2つもある。

JR御徒町駅を越え、日比谷線の仲御徒町駅を越え。

 

直前にある千代田線の湯島駅と、銀座線の上野広小路駅を加えると、

大江戸線が4つの路線を田楽刺しにしている感じだ。

駅ばかりが目について、どれが目指す駅なのかがわかりにくい。

危なく日比谷線の仲御徒町駅をポイントと間違えるところだった。

 

新御徒町駅についてみると、ついにシャッターが下りている。

いよいよここからは深夜。鬱々とした1人歩きが始まる。

新御徒町駅でついにシャッターが閉まった。

 

0154 蔵前着 <新御徒町−蔵前 所要時間20分>

隅田川手前にある蔵前駅。

やはりシャッターは固く閉ざされている。

この写真ばかりを撮って意味はあるのだろうか。

疑問を抱きながら厩橋を渡って隅田川を越える。

 

蔵前駅。厩橋を渡って隅田川を越える。

 

0216 両国着 <蔵前−両国 所要時間22分>

隅田川を渡って清澄通りを南下。

江戸東京博物館前が大江戸線の両国駅だ。

シャッター写真ばかりで面白みがないので、

なんとなく自分の顔写真を撮ってみる。

 

さほどの疲れもなく、足への疲労も少ないため、

表情にはまだまだ充分な余裕が見てとれる。

 

「このまま楽なだけで終わったらネタにもならないな」

 

そんなことまでも考え始めるが、

1周ウォークというのはそんなに甘いものではない。

思えばこの頃がいちばん余裕のある時期だったように思う。

 

両国駅での記念撮影。夜なので体力消耗が少なく余裕の表情。

 

 

大江戸線1周ウォーク(2)に続く

 

 

 

 

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