コリアうめーや!!メルマガバックナンバー

 

第21号

 

<ごあいさつ>

冬なのに暖かく、穏やかな日々が続きます。

どのみちまた寒さが戻ってくるとは知りつつも、

つかの間の幸せをかみしめる今日この頃です。

このまま春になってくれないかなあ……。

なんてどう考えても無理な希望を無駄につぶやく毎日です。

さて、そんな寒い時期にうってつけの料理がありました。

たとえ南極で食べようとも、身体を内部に火をつけて温める、

韓国ならではの、猛烈で強烈な激辛料理。

あまりの辛さに大汗かいて、思わず寒中水泳でもしてやろうかってな料理です。

すごいっすよ。これは辛いっすよ。名前からして辛いっすよ。

このへんでピンときたあなたは韓国通。

口の端でニヤリと笑って本文に進みましょう。

あんまり辛い料理なので、読んだだけでも辛いかもしれません。

ぜひとも、鼻水をぬぐうティッシュと、

ミネラルウォーターを準備してお読みください。

寒さをふきとばしつつスタートです。

(左)韓国ソウルにある鷲梁津(ノリャンジン)水産物市場

 

  

(左)魚はその場でさばいてもらって食べることができる。

(中)韓国式の刺身。サンチュで包んで食べたり、手前にあるチョジャン(酢でといたコチュジャン)を

つけてたべたりする。

(右)刺身にした後のアラでメウンタンを作る。

 

<辛さの限界メウンタン!!>

 

韓国には「メウンタン」という料理がある。

メウンタンとは直訳すると「辛いスープ」。

ただでさえ唐辛子を多用し、辛いことに定評がある韓国料理の中で、

この大胆かつストレートなネーミングは恐ろしい。

インスタントラーメン界にも「辛ラーメン」という大御所がいるが、

韓国鍋料理界の「メウンタン」と合わせ、東西の両横綱といえるだろう。

 

八田氏が初めてメウンタンを食べたのは97年2月のこと。

当時八田氏はプサンを少し離れた海雲台(ヘウンデ)という韓国屈指のリゾート地で、海

が見えるコンドミニアムに宿泊していた。絵に描いたような贅沢な光景であるが、そんな

贅沢な暮らしが出来たのも、本当に偶然からであった。

 

JRの切符の中に「日韓共同切符」というものがある。

日韓共同切符とは下関までの新幹線、下関〜プサンまでのフェリー、プサン〜ソウルまで

のセマウル号がセットになった切符のことで、八田氏は当時その切符を使って韓国に渡っ

た。この切符は出発地からソウルまで1週間以内に到着すればよいので、九州やプサンで

少し滞在したい人などには最適の切符である。値段は出発地によって異なるが、東京都内

からなら27000円程度。大阪からなら17000円程度でソウルまで行ける。

 

この切符の醍醐味は、やはり移動そのものを楽しむことが出来るということ。飛行機なら

機内食を食べて、新聞を広げたらおしまいだが、日韓共同切符なら、新幹線だけで6時間

(東京〜下関)、下関〜プサンまでのフェリーが一晩。セマウル号が4時間と膨大な時間

をかけて行くことになる。

 

新幹線の中で爆睡するもよし。

フェリーで船酔いにのたうちまわるのもよし。

セマウル号の食堂車でバカ高い弁当をつついて腹を立てるのもよしだ。

 

特にフェリーでの移動が楽しい。

下関の乗り場の段階で、まわりにいるのはほとんど韓国人。

日本にいながらにして韓国の雰囲気が味わえ、旅の高揚感を増幅させる。

船室も広いスペースを棚などで区切った雑魚寝状態。

韓国人のオバチャンたちが大声でしゃべりながら弁当をひろげていたり、

オジチャンたちがキムチをつまみに焼酎をのんでいたりと、

それはそれは圧倒されてしまう雰囲気だったりもする。

 

八田氏はそこで1人の大学生と知り合った。

偶然、隣に陣取った彼は、日本語を話すことが出来た。

 

「日本語上手ですねえ。」

「日本に1ヶ月だけ留学したことがあります。」

「へー、1ヶ月でこんなにしゃべれるようになるんですか?」

「いえいえ、まだまだ下手です。」

「留学はどこの大学に行ってたんですか?」

「○○大学です。」

「へー、○○大学。って、それウチの大学じゃーん!!」

 

と、いう俄かには信じがたい偶然があり、僕らは急速に仲良くなった。

大学の近所にある安くて美味い定食屋の話や、よく通った居酒屋の話。

国境を越える海の上で、初対面の外国人同士の会話とは思えない、

ミクロでマニアックな話題で盛りあがった。

 

実に長い前フリだったが、海雲台のコンドミニアムは彼のお父さん所有のもので、

そこを宿として提供してもらい、メウンタンはその彼と一緒に食べたのである。

と、いう訳で、話は3回転半ひねりで冒頭に戻る。

 

辛いスープ「メウンタン」とは魚のアラを煮込んだ鍋料理である。

白身魚のアラを主に用いて作り、魚から出た濃厚なダシと、唐辛子を大量に入れたヒリヒ

リ感とヒーハー感が絶妙のうまさをかもし出す。八田氏はそのとき書いた日記の中で「辛

いは辛いが魚の味がよくしみ出しており、今まで食べた中でのナンバー1ヒットだ」と絶

賛している。それまでに石焼きビビンバ、冷麺、プルコギなどの基本的なうまいものを全

部食べているだけに、その時の感動がどれほど大きかったのか窺い知れる。

 

このメウンタンは刺身の後に食べることが多い。

韓国で水産市場などに行くと、刺身を食べさせてくれる店が併設されており、買った魚を

その場でさばいてもらい食べることが出来る。韓国では魚を1匹丸ごと買い取るのが普通

で、タイならタイ1匹、ヒラメならヒラメ1匹、すべて刺身にして食べるシステムになっ

ている。1匹全部買い取ったのであるから、頭や骨も当然自分のもの。それで、そのアラ

の部分を鍋にして食べさせてくれるのである。

 

このメウンタン、これでもかというくらいグツグツ煮る。唐辛子で真っ赤になっている為

地獄の釜のような状態になっているが、けして火を弱めたり消してしまってはいけない。

基本的には骨から旨みが出たスープを味わう料理なので、ひたすらじっくりと煮出してい

く。

 

市場で買ったばかりの魚であるから新鮮でとても美味しい。

魚の美味さを凝縮したような料理である。

 

もちろんその名の通り、辛さも尋常ではない。

韓国料理の辛さを凝縮したような料理である。

 

舌が麻痺してジンジンと痛み、涙と鼻水は壊れた水道のようになる。

しかしあまりの美味さに、ついついもう一口と手が伸びて、

苦痛と快楽のラビリンスに迷い込むという、どこかマゾヒスティックな料理なのだ。

 

韓国にはいくつかの有名な水産市場があり、観光地としても名高い。

ソウルの鷲梁津(ノリャンジン)水産市場、プサンのチャガルチ市場などが代表的だが、

もし行く機会があったら、刺身を食べ、そしてメウンタンを味わって欲しい。

韓国料理における真の辛さを体験することができるだろう。

 

 

<おまけ>

水産市場では、店の人からガンガン声をかけられます。

値段の交渉などもあるので、現地の人と一緒のほうが安心できるかもしれません。

 

 

<お知らせ>

メウンタンや韓国の水産市場の写真がホームページで見られます。

よかったらのぞいてみて下さい。

http://www.koparis.com/~hatta/

 

 

<八田氏の独り言>

13日にユ・スンジュンのコンサートを見てきました。

彼の腹毛が見られなかったのが心残りです。

 

 

コリアうめーや!!第21号

2002年1月15日

発行人 八田 靖史

hachimax@hotmail.com

 

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