コリアうめーや!!メルマガバックナンバー

コリアうめーや!!第101号

 

 

<ごあいさつ>

ゴールデンウィークが終了し、

長かった連休明けの1週間も終わりました。

休み明けの反動というのはいつもつらいもの。

ぐったりした気分でこの日曜日を迎えている人も、

少なくないのではないかと思います。

なんとかリズムを取り戻して、

夏休みまで頑張っていきましょう。

6月って祝日がないのがつらいですよね。

さて、今号のコリアうめーや!!ですが、

ちょっと特別なネタを用意してみました。

これまでずいぶんたくさんの韓国料理について、

あれがうまい、これがうまいと書き綴ってきましたが、

区切りを迎えたということで1度まとめてみたいと思います。

これまで食べてきた韓国料理の中から、

本当にうまいと思った料理だけの総集編。

また新たな1歩を踏み出すために、

足元を充分に固めておくのが目的です。

コリアうめーや!!第101号。

究極を目指す、スタートです。

 

<究極のコリアうめーや!!2005年度版>

ちょっとだけ本音で語りたい。

本当に美味しい韓国料理について。

 

僕はこれまでこのメルマガで、たくさんの韓国料理を紹介してきた。

また料理を紹介する度ごとに、うまいうまいと最大級の賛辞を贈ってきた。

韓国料理は本当にうまい。その気持ちには微塵の揺らぎもない。

 

「韓国料理はどの料理も素晴らしくうまいのだ!」

 

と断言したりもするが、これはあくまでも表向きの話。

料理ごとに比較して考えた場合、少しだけ話が違ってくる。

 

Aという料理はうまい。Bという料理もうまい。

でも、AとBを比べたらAのほうが格段にうまい。

 

という話は往々にしてあると思う。

 

Aがフカヒレスープで、Bが豆腐の味噌汁。

Aがウナギの蒲焼きで、Bがタタミイワシ。

Aが特上にぎりずしで、Bが卵かけごはん。

 

どちらもうまいのは間違いないが、比較するとどうだろう。

片方だけを食べさせてもらえるのなら、やっぱりAのほうを取ると思う。

だからといってBに価値がない訳ではない。

 

美味しい料理というのは、常に相対的なものであり、

その時々の状況によって感動の度合いもすべて異なってくる。

 

「も、もう30時間以上も何も食べていないんです……」

 

というときは、何を食べても最高にうまいだろう。

それとは逆に、

 

「も、もう30時間以上も食いっぱなしなんです……」

 

という状況はさすがにあまりないと思うが、

ともかく満腹だと、どんな料理を用意されても手が出ない。

 

だからこそ面白いし、色々な話が書けるのだが、

今回はちょっと視点を変えて、韓国料理を絶対的に見てみたい。

 

今まで食べたすべての韓国料理を見回し、

比較検討した上で決める絶対的に美味しい韓国料理。

もちろん1つの料理に絞るのは不可能なので、

いくつかの白眉を選り抜いて語ってみたい。

 

今回は究極のコリアうめーや!!だ。

 

 

1、草堂豆腐(江原道江陵市)

 

草堂豆腐(チョダントゥブ)は海の恵み。

江陵は美しい海を持つ町で、豆腐を作るのにも海水を使う。

ニガリのかわりとして、きれいな海水を利用するのだ。

 

この海水で作った豆腐が信じられないほどうまい。

 

押し固めずに淡雪のような状態で食べるスンドゥブと、

固めて成型したモトゥブがあるが、個人的にはモトゥブのほうが好みだ。

 

モトゥブを人肌に温めて少量の薬味醤油で食べる。

 

普通の豆腐よりもやや固めだが、舌触りは実に滑らか。

人肌に温めてあるので、口の中では温度をあまり感じない。

そのぶん味だけが純粋に際立って感じられる。

 

大豆の持つほのかな甘み。そしてコク。

この豆腐があれば他には何もいらないと思える味。

 

「豆腐ってこんなにうまかったんだなぁ」

 

としみじみため息をついてしまうほどだ。

 

草堂豆腐はその名の通り、草堂地区で多く作られてきた。

 

今でも草堂地区には10軒ほどの豆腐料理店が並び、

スンドゥブとモトゥブの定食を食べさせてくれる。

中でも元祖的な地位にあるのが、元祖草堂スンドゥブチプだ。

 

草堂洞豆腐村までは江陵のバスターミナルから車で15分ほど。

江陵に行く用事があったら、ぜひ豆腐村に立ち寄って欲しい。

 

  

(左)スンドゥブとモトゥブの定食。ごはん、ピジッチゲ(おからのチゲ)、キムチチゲがつく。クリックで拡大可 拡大

(中)モトゥブ。薬味醤油をつけて食べる。

(右)豆腐村でも元祖格の元祖草堂スンドゥブチプ。

 

2、コンナムルクッパプ(全羅北道全州市)

 

全州はビビンバの本場として有名な町。

だが、もうひとつの名物コンナムルクッパプも忘れてはならない。

 

全州のビビンバがうまいのは、いい米と野菜がとれることに尽きる。

中でも大豆モヤシの品質は折り紙つきで、これがビビンバの味を高めている。

ビビンバの隣にモヤシスープがつくのも、いいモヤシがあるからこそだ。

 

そんな自慢の大豆モヤシをメイン作るのがコンナムルクッパプ。

 

煮干、昆布、ダイコンをコトコト煮出したあっさりスープに、

これでもかという量の大豆モヤシと、ごはんを入れた料理である。

 

この料理の醍醐味は、なんといっても大豆モヤシを噛み締めるところ。

大口を開けてたっぷり頬張ると、口の中がシャキシャキの大合唱になる。

野菜炒めやタンメンを食べるときの感覚が、さらに増幅された感じ。

 

モヤシをモリモリ食べる幸せは、ありふれているようで何にも変えがたい。

 

スープはあっさりなので、2日酔いの朝にはさらによし。

大豆モヤシの下にはスープをたっぷり吸い込んだごはんが沈んでおり、

この柔らかな味わいもまたたまらなく美味しい。

 

店はガイドブックに載るような有名店よりも、

近所の会社員でごった返す、地元密着型の店がいい。

オススメは慶基殿の裏手にあるウェンイコンナムルクッパプ。

 

ウェンイは蜂がブンブンと飛び回る様子を表した言葉で、

昼どきはまさに蜂の巣をつついたような大騒ぎになる。

 

  

(左)コンナムルクッパプ。クリックで拡大可 拡大

(中)卵にはコンナムルクッパプのスープ、海苔を加えて混ぜ、そのまま食べる。

(右)ウェンイコンナムルクッパプ。昼どきは満員になる。

 

3、ユッケビビンバ(慶尚南道晋州市)

 

全州のビビンバでは大豆モヤシが活躍するが、

晋州のビビンバでは緑豆モヤシが活躍する。

 

晋州式のビビンバは生の牛肉を乗せたユッケビビンバ。

牛肉という主役がいるぶん、他の具に強い自己主張はいらない。

 

緑豆モヤシは大豆モヤシより細いので食感が柔らかく、

なまめかしい牛肉の舌触りを損なうことがない。

シャキシャキした食感よりも、モヤシの淡い風味が重要になる。

 

牛肉の味を最優先するため味付けもシンプルに。

 

牛肉の下味はゴマ油と少量の白ゴマだけ。

具に加えるのも4、5種類のナムルと海草に限定する。

旨みを加えるために牛ひき肉を煮こんだスープをざっとかけまわし、

後は甘めに作った自家製コチュジャンを加えればいい。

 

全州式のビビンバは食材の多さが魅力だが、

晋州式のビビンバは牛肉を活かした食材構成が魅力。

 

全州式のビビンバとはまた違った次元のうまさがある。

 

ユッケビビンバは晋州の中央市場内に名店がある。

調理場の一部が店舗の外にはみ出している第一食堂。

ここのユッケビビンバは本当にうまい。

 

  

(左)ユッケビビンバ。クリックで拡大可 拡大

(中)全体をよくかき混ぜて食べる。意外に海草の味がきいている。

(右)ナムルとして使われるのは、ホウレンソウ、キュウリ、緑豆モヤシ、ホバク(カボチャの未熟果)、ワラビなど。

 

4、ソガリメウンタン(江原道春川市昭陽湖ほか)

 

韓国の魚料理でいちばんうまいのはメウンタンだと思う。

 

メウンタンは魚や、魚のアラを煮込んで辛く味付けた鍋料理。

市場などでは身を刺身で食べて、残った頭と骨をメウンタンにする。

いちばんダシの出るところを煮込むのだから、スープの味は格別。

僕の場合は、刺身よりもメウンタンのほうが楽しみなくらいだ。

 

そのメウンタンも使う魚によって味が少しずつかわる。

中でも最高級とされるのが、ソガリのメウンタンである。

 

ソガリは日本語にするとコウライケツギョ。

肉食性の淡水魚で、身体は虎のようなマダラ模様をしている。

こわもての外見だが、身は驚くほど上品な白身だ。

 

このソガリを数匹丸ごと煮込み、野菜と唐辛子をたっぷり入れる。

アラのメウンタンではないので、こちらは身を食べねば意味がない。

 

ソガリの身はほろほろと柔らかく、透き通って雑味がない。

川魚特有の臭みなど微塵もなく、むしろ甘い香りさえ漂ってくる。

脂の乗り方も川魚らしく控えめなので、いつまでも食べ飽きることがない。

 

韓国では文句なしに川魚の王様である。

 

ソガリが有名なのは江原道春川市にある昭陽湖だが、

僕が食べたのは全州市内から車で1時間ほどの山奥の店。

名刺をもらってきたが、もう1度行くのはかなり難しそうだ。

 

 

(左)川魚の王様、ソガリのメウンタン。

(中)ソガリは丸ごと入っている。クリックで拡大可 拡大

 

5、ヘムルトゥッペギ(済州島西帰浦市)

 

ヘムルトゥッペギは魚介類の総合芸術である。

 

簡単に言ってしまえば、海産物のチゲなのだが、

済州島の名物だけあって、海産物という単語の重みが違う。

 

まずスープの中からはアサリがザクザクと出てくる。

2個や3個という量ではない。1人前に軽く10個は入る。

この時点ですでに食卓の潮干狩り状態だ。

 

そしてアサリの合間からは済州島名産のトコブシが出てくる。

済州島はアワビもうまいがトコブシも素晴らしくうまい。

旨みの詰まったトコブシが贅沢にも3個は入っている。

 

エビの存在も忘れてはいけない。

殻付きの堂々たるエビが丸ごと沈んでいる。

 

極めつけはウニだ。

スープに油揚げのようなものが浮いていると思ったら、

それはすべて身がバラバラになったウニなのである。

 

スープをすするたびに少量のウニが口の中へ入る。

磯の風味が口の中で倍加し、もうたまらんといった感じで鼻に抜ける。

 

ついでに魂まで抜けてしまいそうなうまさだ。

 

ヘムルトゥッペギは済州島全域で食べられるが、

いちばんのオススメは西帰浦市にあるサンボ食堂。

この店はアマダイ焼き、サバの煮物など何を食べてもうまい。

 

  

(左)海の幸がどっさり入るヘムルトゥッペギ。クリックで拡大可 拡大

(中)同じく済州島名物のオクトムグイ(アマダイ焼き)。大変に美味。

(右)西帰浦市の名店サンボ食堂。何を食べてもうまい。

 

さて、以上5つの料理で、究極のコリアうめーや!!は終了。

最後に番外編を2つ紹介して締めくくるとしよう。

 

 

番外編1、校洞法酒(慶尚北道慶州市)

 

第100号で書いた通り。

韓国でいちばんうまい酒が校洞法酒。

 

 

番外編2、パッピンス&バナナ牛乳(韓国全域)

 

韓国のスイーツでいちばんはこの組み合わせ。

パッピンス(韓国の氷小豆)は市販のカップパッピンス。

そこに同じく市販のバナナ牛乳を注ぎ込む。

 

カチカチに凍っているパッピンスを少しずつ突き崩し、

バナナ牛乳を全体に馴染ませた後、よくかき混ぜて食べる。

 

B級以下のC級グルメだが、これもまた究極の美味。

ただのオチだと思わず、今年の夏はぜひ試してほしい。

 

  

(左・中)校洞法酒

(右)カップパッピンスとバナナ牛乳は最高の出会いもの。

 

<おまけ>

今回紹介した5つの料理と2つの番外編は、僕が1999年から今まで韓国を食べ歩いた中での究極です。当然のごとく韓国料理のすべてを食べ尽くしたわけではないので、これ意外にも美味しい韓国料理は数限りなくあるはずです。今後はこれらの料理を追い抜くほど、感動的に美味しい韓国料理というのを精力的に探していきたいと思います。いつかまた、区切りのつくところで報告をしたいですね。今回が第101号だったので、次は第201号かな? このまま順調に行けば2009年には第201号を迎えられるはず。それまでの間、どんな韓国料理に出会えるのかとても楽しみです。

 

<お知らせ>

究極料理の写真がホームページで見られます。

よかったらのぞいてみてください。

http://www.koparis.com/~hatta/

 

<八田氏の独り言>

2009年は何をしているのかなぁ。

と、遠い目で考えてみたりして。

 

コリアうめーや!!第101号

2005年5月15日

発行人 八田 靖史

hachimax@hotmail.com

 

 

 

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